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考える問題や応用に弱い

成績が良くない子どもやテストの点数ばかり気にしている子どもたちは、概して群れて遊ばないで、一人か二人で何かこそこそとやっているだけである。もっとひどい場合は、山にハイキングに来てマンガ本を読んでいるケースがあった。だから、ハイキングに行った時のことを書かせると、元気よく遊んでいた子どもは上手な作文になるし、つまらなそうにしているだけの子どもは下手な作文になることが多い。やはり、楽しいという気持ちが学習意欲を向上させるのであろう。このように、皆と一緒に遊べない子どもは、塾での勉強の方もあまり芳しくないことが多い。たまに、成績がよくて一人で遊んでいる子どももいるが、そういう子どものほとんどは、上の学年に進むにつれて学力が伸び悩む傾向があった。努力はしているけれども、考える問題や応用に弱いというのが、一人遊びしかできない子ども達の特徴と言える。机に向かっているのだが、だんだんと成績が下がってくるお子さんがいたとしたら、それは小さい頃から思い切った遊びを十分してこなかったのが原因の一つかもしれない。コツコツと勉強することも大切だが、それと同じように、皆と群れて遊びに夢中になることも重要であることを知っていただければと思う。

進学塾に通っている子

進学塾に通っている子が、もし学校の授業をばかにして聞かなかったとしたら、この子は永久に、なぜ円の面積は半径を2回かけて3.14倍するのか、わからないだろう。すなわち、物事の原理やしくみを理解するという「学校知」を知らないまま、学校を卒業することになってしまう。そうならないためには、塾で先にその項目を習ったとしても必ず学校の授業を聞かなくてはならない。「塾で先にやったことも、学校ではまた違った教え方で教えてくれるのだから、熱心に学校の授業も聞くように」と、親は何回も子どもに言い聞かせることが大事である。「受験知」と「学校知」は、「学ぶ」という点では同じだが、その学ぶ目的が違うことを、もっとよく知らなくてはならない。塾での先取り学習は、私個人としてはあまり良いことではないと思っている。しかし、いま先取りをやる塾に通っているなら、塾の時間は予習に、そして学校の授業は復習に、と割り切るべきだろう。進学塾では、基本的な事柄は知っているという前提のもとに授業が進められていき、応用力や難問を解くテクニックを覚えることが中心になっていると考えなくてはならない。

基礎をおろそかにする公教育の現状

現在の中学英語は文部科学省の「英文法より英会話だ」という方針の下で、英会話中心の授業を進めています。しかし、文法を知らずに、また、文章の構成、動詞や助動詞の変化を知らずに、その国の言葉を正しく読み、書き、話し、そして理解することができるのでしょうか。確かに、英会話教育が極端に不足していたのは事実です。私が指摘したいのは、不足分を補う英語の授業数を増やさずに、授業数を減らしたうえに文法より英会話を重視するのでは将来、高いレベルの語学習得は不可能という点です。早稲田大学の例ですが、英会話に不自由しない何人もの帰国子女が英語の外書講読で単位が取れずに、中退していく学生がいる事実もあります。その原因は、共通して高いレベルの読解や英文法ができないためだそうです。現に、英文法を知らない大学受験生か多数います。私の予備校では、そういう受験生を対象に、中学英語の基礎を徹底的に復習することから始めています。現状を直視すれば、公立中学の英語を最低でも以前の授業時間数に戻し、文法教育にも力を注ぐ必要があります。教育に携わる一人として、基礎をおろそかにする公教育の現状には、大きな将来への危機を感じざるを得ません。