債務国というのも、対外債権をもっていない国のことではありません。対外債務のほうが対外債権よりも多い国のことです。第2に、この債権には、貸したお金だけではなく、手に入れた外国の土地や建物、外国企業の株や債券などの資産をふくみます。それらの資産を売れば、その取得のために投じたお金を回収できます。その点でふつうの債権と同じと言えるからです。だから、債権国とは、対外資産が対外負債を上回っている国、債務国とはその逆の国と定義されます。さてもうひとつ、ご注意を。それは、債権も債務も、かならずしも国がもっているのではないということです。国という抽象的存在が、債権債務の持ち主になることはありえないのはもちろんです。国とは、それを代表する政府のことを意味すると約束したとしても、債権国、債務国の債権・債務は、政府のもつ公的債権、公的債務だけから成るのではありません。圧倒的には、それぞれの国の企業、個人のもつ債権・債務なのです。
現実の世界は残念ながら、人々の期待ほど順調には進んでいません。冷戦終結によって米ソ2大国の求心力が急速に低下したため、世界は逆に旧ソ連諸国、ユーゴスラビア、ソマリアなど世界各地で民族主義や地域主義に基づく紛争が相次いで勃発しました。加えて、91年夏、ソ連でクーデターが発生しましたが、すぐに失敗。これが引き金となり、共産党が弱体化し、ソ連邦が消滅。米ソ冷戦を実現させた歴史的立役者ゴルバチョフも国際政治の表舞台から姿を消しました。米ソ2大国の求心力を失った世界は、各地で紛争が相次ぎ、多様で複雑に入り組んだ問題が噴出しています。こうして今、世界は国連の機能を強化して、多国間の自由貿易を拡大し、平和と繁栄を推進しようとするグローバリズムの流れと、これに相対立する民族主義一地域主義の流れが渦巻いているといえると思います。こうした現状の世界情勢について、混とんとした無秩序の下で、ブロック経済化へ向いつつある、といった悲観的展望をもつ識者も少なくありません。しかし私は現状を、グローバリズムが本流となって、明るい世界新秩序が形成される過渡期の現象と考えます。地域的な核拡散の危険は多少残るにせよ、世界は今核戦争の脅威からほぼ完全に解放されました。
社会保険に関する法人の保険料負担について簡単に説明しましょう。社会保険とは、国が保険者である政府管掌の健康保険(40歳以上65歳未満は介護保険にも加入)と厚生年金を指し、民間企業などで働く従業員を対象としています。個人事業者の多くは、社会保険の適用を受けていないため、国民年金と国民健康保険に加入している場合が多いことになります。一方、法人は社会保険への加入が強制されています(実際は未加入の法人がかなりあります)。そして、その法人に在籍している社員及び役員の全員が社会保険に加入する必要があるのです。法人化することによって社会保険が適用されることは、大きなメリットです。しかし、その半面、保険料が高くなるのも事実です。
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